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2008.04.26

Can the Cellphone Help End Global Poverty?

::"Can the Cellphone Help End Global Poverty? "[NY Times]::

2週間以上前の記事だけど、長かっただけあって?最近読んだ中ではいちばん面白かった。
勤め人時代の経験や知識よりも、大学院で開発論を学んだときよりも
FASIDのCSR研修での"BOP/Bottom of the Piramyd"のケーススタディよりも、
いま自分が所属する世界=まさにdeveloping worldの文脈だと、余計にしっくりくる。

改めて感じたのは、グラミンフォンも、クレジットを利用したモバイルバンキングも、
結局、生活を変えるのは技術そのものではなく、アイディアと使い方なんだなあということ。

以下、全くまとまらぬ雑文のまま、雑感。
(なんだか茶々入れのような内容だけど、もとの記事はちゃんと読み応えありです)

++
・”途上国が貧困から抜け出せぬ一因は、彼らが資源を活用せず無駄にしていることにある。
 時間と機会も、そのひとつだ。でもそこに携帯電話があったらどうだろう?”

- ティモールでは、毎日どれだけの時間と機会が無駄に打ち捨てられていくことか。
動力としての携帯電話だけでなく、アイディアや意欲という燃料が足りないのだ。ここには。
文中にも”支援をつぎこむよりも、携帯電話を1台与えた方が、起業精神を伸ばし
自助発展の道を見つける確率が高い”
的な内容がある。
すでに多くのNGOやドナーもそのことには気づきつつあるようで、
いくつかのプログラムは、単なる職業訓練から起業支援をうたう内容に変化しつつある。
外から与えられた「場」がどの程度機能するかわからないけれど、
アイディアの見つけ方や活かし方を学ぶことは、wordやexcelの操作よりも役に立つはず。
未開拓=チャンスは到る所に転がっているともいえる。まだ市場も確立していないこの国で
innovativeな社会起業家が生まれてきたりするといいな。数年後が楽しみ。

++ 
”貧しい人々でも、ICT-携帯電話の通話クレジット-にかなり多くの額をつぎ込む”
”ひとたび収入が増え始めると、収入の増加よりも早いペースで通話代が増える”

- この一文にも激しく同意。TLの人々も、本当に電話、特にケータイが好きで、
明らかに月給よりも高そうなfancyなカメラ付き携帯を持っていたりもする。
そんなに話して(お金)大丈夫?と思うくらい、長電話している姿もよく見かける。

++
”コミュニケーションは、ある人々にとっては(特にそれを一度手にした人々には)
 非常に基本的かつ重要な権利なのだ。まるで水のように。”

- TLは携帯も固定も、ティモールテレコム(TT)一社独占で、価格設定も暴力的に高い。
それでもIDP(国内避難民)のように、独立闘争や国内紛争、不安定な社会治安情勢などで
いつ故郷に戻れるのか、または別の場所に永住できるのか
あてもないまま移動を繰り返すことに余儀なくされてきた人々にとっては
どこにいても家族や友人の消息を確認できる"fixed identity point"としての
携帯電話の価値は日本のそれよりも重いのかもしれない。

++
”Connecting the Unconnected”
”巨大で未開拓の途上国市場を手に入れるために、企業は「利用者が何を望んでいるか」
 「携帯利用の障害になっているのは何か、それをいかに取り除くか」を考え始めた。
 電力供給が無いもしくは不安定な地域向けに長時間耐久バッテリーの提供、、
 キオスクでの充電サービス、太陽光/風力を動力源とするアンテナ開発は、その一例だ。
 かつて自分の回線のことだけ気にしていればよかった携帯電話/通信会社も、
 いまや利用者の生活環境を考慮することなしにビジネスを拡大することはできない”

- 完全売り手市場のTLで、キャリアからの歩み寄りをどこまで期待できるかわからんが。
あ、でも。そういえば。チャージ用の最小単位がこれまで5ドルだったのだが、
つい最近、新しい2ドルのカードを目にするようになった。
(他の開発途上国の例にもれず、殆どの人はプリペイド利用者。)
これも低所得の利用者が広がり続けている証拠だろう。
たまにはTTも経営努力をするのね、とちょっと見直す気になった。
利用者ニーズに応えるなら、いっそ値下げしてほしいというのが切なる願いだけど。

ちなみに、通話料の高さゆえか、ローカルからマラエ(外国人)にかけてくる場合は、
ワン切りされることが非常に多い。もちろん通話料は折り返した自分持ち。
しかし大したようでないことも多く、じゃあSMSしろよ!と思うのだが、
それも面倒かもったいないか、どちらからしい。

数か月前の休日、朝6時、7時、14時と見知らぬ番号からワン切りがあり
さすがにかけなおしたら、見知らぬ声が「これ僕の番号、よろしくね」と。
わざわざありがとう。でも私から電話をすることは2度とないと思う。
あなたの名前を聞いても、ほんのひとかけらの記憶も呼び起こせないのに。

++
”(途上国の人々に、自分の理想の携帯電話の絵を描いてもらうという試みに関して)
 人々は、携帯電話に自分の世界観-希望や、いま面している障害-を投影するようだ。
 リベリア難民が地雷探知機能を、TVやラジオを持たぬインドのスラムでは天気予報を、
 毎日メッカ方面に向かい祈るイスラム教徒がGPSを必要とするように。
 選挙後、混乱が続いていたケニアでは、平和をもたらす、あるいは争いの道具としての
 携帯電話利用を考える傾向が顕著に見られた。”

- かつて勤めた会社は、入社したばかりのころはまさに
モバイルインターネット(今はこんな硬い言い方しないか)のサービスイン前夜で
その後、通信速度が飛躍的に早くなり、カメラが付き、javaを搭載し、映像が流れ、と
生活の根本を変えるまではいかなくとも、新しいワクワクが詰まっているところだった。
難しい技術ではなく、単純に楽しめるサービスを打ち出していくことで、
ケータイの新しい世界が、どんどん広がっていく気がした。

いま自分が持っている日本の携帯電話は、1年半くらい前に買ったもので、
テレビも見れないし、画素数もデジカメ並みではないけど、使わない機能の方が多い。
停電の多い途上国ではむしろ、懐中電灯がわりになるトーチ付きの方が親切だったりする。
とはいえ、日本で電灯をつけたところで誰も必要とする人はいないだろうし、
それよりも長い通勤時間、身動の取れない満員電車の中でも
自分の掌の中にあるケータイから情報にアクセスできた方がいいに決まってる。

それに、この電話をローカルに見せると、やはり皆、うらやましがるのだ。
フラッシュやズーム機能つきのカメラは外部メモリを使えばプリントもできるし、
音楽もきれいで、ゲームもできて、なんといっても画面がきれい。

色々ボタンを押しては目を輝かせる彼らにとってはきっと、
日本の最新携帯電話は、夢が詰まった機械なのかもしれない。

++
この記事の主役であるChipchase氏のblogも、なかなかおもしろい。
理想のケータイを描く「Open Studio」の作品の画像も色々あり、けっこう精巧で驚く。
::Jan Chipchase - Future Perfect::
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